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第10回 学生研究発表会 兼 第6回 卒業研究発表会が

苫小牧市文化会館において開催されました

 

 第6回 卒業研究発表会 兼 第10回学生研究発表会が7月9日に苫小牧市文化会館において開催され、1名の留学体験発表、6名の学生研究発表、1名の卒業研究発表を行いました。前半は、留学生の視点から見た日本の文化や、留学で体験した異国の文化、さらにはオホーツク文化と発掘体験など国際文化学部にふさわしい発表が続きました。後半は、駒澤大学らしい曹洞宗関係の発表が行われました。

 最初のラン・サン(黒竜江農業職業技術学院出身、国際文化学科3年)さんは「留学生の目で考察したYOSAKOIソーラン祭り」というタイトルで発表しました。ランさんはYOSAKOIソーラン祭りに感動し、YOSAKOIソーラン祭りについて調べ、留学生の視点からお祭りを通して北海道の地域文化についての独自の考えを交えて発表しました。このようなお祭りは中国にはないそうです。お祭りは地域や地域の文化に根ざしたものであるということをあらためて認識しました。そのランさんも、機会があれば是非自分もYOSAKOIソーラン祭りに参加したいと述べていました。

 次は、「ネイピアと私-伝えることの大切さ」というタイトルで、国際文化学科

3年の中谷寛奈さんが、ネイピアの英語学校とその授業内容や、ネイピア市やホストファミリーでの体験談などを交えて留学体験を発表してくれました。中谷さんが留学しようと思ったきっかけは、「英語の中に自分をおき、英語を勉強したい」ということで、その成果は、もちろん英語力のアップと「客観的に日本を見つめ直すことがができた」と語っていました。一般市民からは、「半年の語学留学でどのくらい英語力が伸びるのか」、「ネイピアは苫小牧と姉妹都市だが、どの程度市民に知られているのか」といった質問がありました。ネイピア市民も「私は苫小牧から来ました」と言うと、「ネイピアの姉妹都市ね」という返答があり、苫小牧のことが市民に認知されていると語っておりました。最後に、これから留学を考えている学生に向けて、留学したら英語を使ってコミュニケーションすること、自ら積極的にコミュニケーションすることが一番大事だとアドバイスをしていました。

 3番目の発表は、「オホーツク文化について」と題して、国際文化学科2年の干場芽衣さんが行いました。干場さんは、最初にオホーツク文化に関する解説、その後自ら発掘に行った斜里町のウトロチャシコツ岬下B遺跡発掘について報告してくれました。内容はオホーツク文化の歴史から、発掘された遺跡のことまで広範囲にわたり、質問も竪穴式住居、ヒグマ祭祀、靺鞨(マッカツ)文化、縄文土器や文化との関係などに及びました。干場さんは丁寧に質問に答え、質問者も納得の様子でした。これから更に、研究を続けて卒業時には立派な卒業研究にしてくれたら良いと思います。

 前半最後は、韓林大学からの交換留学生、ジョン・ユンホさんが「現代における結婚式の価値-日韓の違いから考える」とタイトルで発表しました。「婚礼」という儀式を通じて、日本と韓国のお国柄の違いを紹介し、日本と韓国の価値観の違いや時代の変遷とともに価値観がどのように変化してきたかということについて考察しました。日本では1980年代の「高学歴、高収入、高身長」の「3高」から、「価値観があうこと、金銭感覚が一致していること、雇用形態が安定していること」という「3K(頭文字)」に変化してきたこと。韓国は、縁主義、つまり血縁と学縁を最も重要視しているが、それも時代と共に少しずつ変化し、自分の個性と意見を重要視し、結婚を親に反対されても自分で決める若いカップルが増加してきたと分析していました。また、最近の結婚の傾向を比較し、日本の「晩婚」「独身族」などの特徴と、韓国では再婚カップルが増えているという紹介に注目が集まりました。両国の価値観の違いなど新しい発見をした発表でした。最後に韓国留学生から「どうしてこのテーマを選んだのですか」という質問が投げかけられ、それには「私は、仕事と結婚が人生で一番大事であるから」と答えていました。

 

留学生の目で考察したYOSAKOIソーラン祭り
ネイピアと私-伝えることの大切さ
オホーツク文化について
日本曹洞宗における瑩山(けいざん)禅師の位相 -瑩山禅師はどのようにして両祖となったのか

 後半の最初は「『正法眼蔵』の読解における一視点」と題目で、国際文化学科2年の中野桂輔さんが行いました。発表の冒頭で、「タイトルに『正法眼蔵』の読解とありますが、『正法眼蔵』は道元思想の象徴と言う意味であり、具体的に『正法眼蔵』を読むという意味ではありません。」という注意がありました。中野さんは、「辨道話」の一節を引用し、今まで正しいとされたきた「本質/現象」による二元論的な解釈、本証妙修説を批判し、「縁起」の思想による新たな解釈を行いました。発表は非常に独創的で、一般の方々にも分かりやすく解説してくれました。質問や疑問点が指摘されましたが、それにも明解に答えていました。

 後半2番目の発表は、「道元禅師の因果観に関する考察」という題目で、国際文化学科4年 志塚 慧さんが行いました。志塚さんは、佐久間賢祐教授の指導の元、同名の題目で卒業研究を行っており、その研究のきっかけと問題提起を中心に研究の途中経過を発表しました。内容は『正法眼蔵』の75巻本とその後書きなおされた12巻本の「百丈野狐」の解釈に焦点をあて、様々な視点から論じられる道元禅師の「因果観」を整理し、それをどのように解釈するかということを述べていました。熱のこもった質疑応答がなされていましたが、私の理解できない高度な内容でした。来春の卒業研究発表を楽しみにしています。

 次の発表は、「日本曹洞宗における瑩山(けいざん)禅師の位相 -瑩山禅師はどのようにして両祖となったのか」と題し、国際文化学科4年の永澤良治さんが行いました。永澤さんも、佐久間賢祐教授の指導の元、同名の題目で卒業研究を行っています。ここでは、道元禅師と並び両祖として崇拝されている瑩山禅師について理解を深めるとともに、道元禅師ほどの知名度がない理由を歴史的な観点から考察を試みていました。永平寺派と総持寺派の宗門内での対立など歴史の中で互いの立場が微妙に入れ替わって行き、徳川幕府による政策によって永平寺が総本寺としての地位を授けられたこと、それをきっかけとして永平寺が修行の中心になったこと、『正法眼蔵』の研究が活発に行われようになったことなどにより道元禅師の知名度が次第に上がっていったようです。しかし、瑩山禅師の広く民衆へ布教するという心を受け継ぎ、活動してきたことが今日の曹洞宗の発展に多大な寄与をしていると論じました。質疑応答では、今回は、瑩山禅師の教えについてあまり触れられなかったが、それを一般の人に理解させることもなぜ両祖という位置づけなのかということを理解する一助になるという指摘がありました。また、「もし曹洞宗が永平寺派と総持寺派の二つに別れたなら永澤さんはどちらの宗門に入りますか」という質問があり、少し答えにくそうでしたが、総持寺派を選択するという回答がありました。

 

 最後は、「日本の曹洞宗における行持の変遷について-日日の行持から見える修証観」という論題で、国際文化学科4年の柴田正敏さんの卒業研究発表が行われました。(主査は佐久間賢祐教授、副査は小林守教授)柴田さんは、「行事」と「行持」という言葉の違いの解説から始め、「日分行持」、「月分行持」、「年分行持」の歴史的変遷を示しました。行持はまさに修行のあり方で、現在の行持のあり方を見つめ直すことにより、これからの行持、修行に対する姿勢をあらためて考え直すことを大切だと述べていました。時間の都合で彼の研究すべてに言及することはできませんでしたが、仏教理解のための基本をあらためて認識しました。「月分行持」が江戸時代から現在にかけて減少しているがその背景にはなにがあるのかといった質問があり、行持が単に無くなったというよりは一部の行持が「日分行持」などに取り入れらたりして役割が変化していったという一面もあると回答していました。

 

 今回も、大学の内外から多くの方々にご参加していただきました。また、学生たちの研究発表に対してたくさんの有意義なご質問やご意見をいただくことができ、発表者たちもこれからの研究活動に役立てていくと思います。この場を借りて感謝の気持ちを表させていただくとともに、今後も学生たちに皆様のご指導をいただければ幸いです。 なお、研究発表会の全体の司会には本学の国際コミュニケーション学科2年の安藤希華さんと国際文化学科3年の中谷寛奈さん、受付などの運営にやはり国際文化学科2年の小西南々絵さん、菅野千郷さん、国際文化学科3年 ジョ・イさん、増井聡海さんからのご協力をいただきました。在校生たちの快い協力をもってこの会が運営できたことにも感謝いたします。

(教務学生サポートセンター長 関谷雅弘) 

日本の曹洞宗における行持の変遷について-日日の行持から見える修証観
記念撮影

学生・卒業研究発表会のページ

苫小牧駒澤大学 国際文化学部

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