卒業生インタビュー


○インタビュー1 : 中野 巴絵さん


日中韓賢人会議でトンコリの演奏を披露する中野さん(於:ウインザーホテル洞爺)

■氏  
名:中野 巴絵(なかの ともえ)
■出 地:北海道白老郡白老町
■専攻学科:国際文化学科
■卒業年度:平成17年度
■所   属:一般財団法人アイヌ民族博物館学芸課、アイヌ政策推進会議委員
 
 1・入学動機
  自分の人生で一生懸命取り組めることを大学生活で見つけたいと思ったためです。
 
 2・授業で何を学んだか(最も印象に残っていること)
  アイヌ文化を学べたこと。海外研修に参加し、先住民交流ができたこと。
 
 3・学生生活全般で一番楽しかったこと。
  たくさんの理解ある友人や恩師たちと過ごせたこと。
 
 4・学生生活に得たいちばんの財産は。
  将来の目標。アイヌ文化についての仕事がしたいとの目標ができたこと。
 
 5・大学で学んだことは今に活かされていますか。
  アイヌ文化論や北海道文化論、博物館概論、教育概論をはじめとしたカリキュラムは、博物館学芸員の仕事に活かされています。
 
 6・先生やキャンパスライフで思い出に残っていることは。
  三年生のときに、先生たちからいただいた「アイヌ民族としてアイヌ文化を学ぶべき」という言葉から、大学生活が一新しました。先生方の応援や友人たちの協力で、無事に卒業できました。
 
 7・学生時代に抱いた夢や希望は、現在、叶えられていますか。
  もちろんです。3年生のときに漠然と「一生アイヌ文化に携われる仕事をしたい」と思っていました。学芸員という仕事に就くことで、希望を叶えることができました。好きなことを仕事にできる喜びは、何にもかえがたいです。
 
 8・4年間で人間として、成長したところ
  成長したかどうかは…正直わかりません()
  大学入学当時から比べると、卒業するころには積極的になったのではないかなぁ、と思うぐらいです。
 
 9・新入学生へアドバイス
  「学ぶことは人生の選択肢の幅を広げることである」ということを、卒業する頃になって実感しました。ですから在学中はたくさんのことを勉強し、経験してください。そして自分の本当にやりたいことを考えて、答えを見つけてください。


○インタビュー2 : 能登 千織さん

 

 アイヌの有用植物分布調査でイケマを持つ能登さん

 

■氏    名:能登 千織(のと ちおり)

■出 身 地:北海道白老郡白老町

■専攻学科:国際文化学部国際文化学科

■卒業年度:平成17年度

■旧 所 属:白老町役場生活環境課ウタリ施策推進室・しらおいイオル事務所 チキサニ学芸員、(財)アイヌ文化振興・研究推進機構 事業課主事

 

1・入学動機

進路を選択する時期に、「アイヌの伝統的生活空間(イオル)の再生事業」の構想が白老町で持ち上がり、将来的にアイヌ文化の専門員が必要になるのではないかと考え、アイヌ文化の基礎知識から専門的な知識を身につけるため、大学の進学を決めました。

また、苫小牧駒澤大学は留学生が多いことを知っていたので、異文化に触れ合う機会があるのではないかと期待しました。

 

2・授業で何を学んだか(最も印象に残っていること)

   海外研修でハワイへ行き、ハワイの先住民族の現状や、文化復興の様子を目の当たりにし、国内におけるアイヌ施策について、より具体的な課題に気づくことができました。

また、外部機関の補助金を受けて、本学の教員・学生が中心となって、北欧の先住民族サーミのところへ訪問したのも思い出です。
   歴史や文化だけでなく、先住民族の権利や自律について、先進的である国々で多くを学ぶことができました。これらを参考にし、日本国内でどのようにアイヌに活かせるかが大きな課題です。
   私が大学を卒業してからも同じように、後輩たちはシベリアの先住民族を訪問しています。建物の中だけでなく、外に広がる世界全てが、この大学のキャンパスだと思います。

 

3・学生生活全般で一番楽しかったこと。

  アイヌ文化学生フォーラムを立ち上げ、未来の自分たちのあるべき姿について夜遅くまで語りあったことです。民族としてのアイデンティティーを持ってから、共に未来を歩んでいく仲間が、私のことを含めた未来について考えてくれるようになったことがとても嬉しかったです。

 

4・学生生活に得たいちばんの財産は。

  仲間や先生が与えてくれた自信です。私は今までアイヌ民族として生きていくなかで、自分に自信が持てませんでした。
  しかし、周囲の人々が私に様々なチャンスを与えてくれたことで、多くの経験を積み、私のやりたいこと、やるべきことに気づかせてくれました。

 

5・大学で学んだことは今に活かされていますか。

地域の人々とのコミュニケーションやアイヌ文化の専門的知識まで、大学で学んだことが現在の私の基盤となっています。

 

6・先生やキャンパスライフで思い出に残っていることは。

 先生の多くが私の個性を尊重し、真摯に向き合ってくれたことが嬉しかったです。

  また後輩たちと語り合ったアイヌ文化学生フォーラムでは、それぞれに自分自身の未来を真剣に見つめ、次の時代を担っていこうとする学生の姿はたくましく見えました。
  私はこのフォーラムで交わされた多くの提言を活かすため、私自身が頑張らなきゃとたくさんのエネルギーをもらいました。

 

7・学生時代に抱いた夢や希望は、現在、叶えられていますか。

 「アイヌ文化をアイヌが伝える」。私が大学時代に願っていたこの言葉が叶い、自らの歴史や文化、そして未来を多くの人々に伝えられる環境にいるので、一歩進んだと感じます。
  現在は、アイヌ民族の誇りを取り戻すという大きな夢に向かっています。

 

8・4年間で人間として、成長したところ

 自分の未来を自分で切り開くと考えられるようになったことは成長できた証だと思います。

 

9・新入学生へアドバイス

 夢中になれるものを見つけてください。最初から「出来ない」ものはないと思います。

   苫小牧駒澤大学では一人ひとりの個性を尊重し、あなたにしか出来ない経験をさせてくれます。自分の可能性を信じ、共に未来を築きましょう。あなたの声を仲間が待っています。

 

○インタビュー3 : TAさん


アイヌ民族の丸木舟(15世紀)の保存処理作業に従事するTAさん

■氏   名:TA

■出 身 地:関東

■専攻学科:国際文化学部国際文化学科

■卒業年度:平成21年度

■所   属:大学院修士課程でアイヌ文化を研究(平成23年度修了)

1・入学動機

中国へ留学していたおりに、中国人の友達からアイヌ民族について質問されました。当時の私の知識では、「アイヌ民族は、北海道に居住している先住民族だよ。」としか返答できませんでした。

高校までの歴史観では、この回答しかできなくて当たり前なのかもしれません。なぜなら、学校教育でアイヌ民族について勉強するとすれば、「コシャマインの戦い」や「シャクシャインの戦い」位なものです。
    しかし、やはりそう考えてしまうのはよくないでしょう。日本で生活する以上、その社会や文化のことを知り、理解する努力を怠るべきではありません。

そうしたやり取りの後、私は日本に生まれ、そして生活していながらアイヌ文化や琉球文化のことを何も知らないことに疑問を持つようになりました。
    だから、中国から帰国した後、アイヌ文化や民族のことを学べる大学を探し、勉強し直すことを決意しました。

 

2・授業で何を学んだか(最も印象に残っていること)
        
「小、中、高で行われてきた授業はいったいなんだったのだろうか?」そう思わざるをえないのが大学の講義です。「自ら学び、自ら追究していく」、この姿勢を大学の授業で学びました。
         「勉強」から「学び」へと視野を広げていくことが、大切なことなのだと思います。

 

3・学生生活全般で一番楽しかったこと。

   仲間と切磋琢磨できたことです。なかでも、アイヌ文化学生フォーラムのメンバーや留学生との活動は、最高のスパイスでした。

 

4・学生生活で得たいちばんの財産は。

   「良き師、良き仲間、良き職員」に巡り会えたことです。皆さんの優しさが今の私を育んでくれました。

 

5・大学で学んだことは今に活かされていますか。

  多分に活かされています。勉学から私生活にいたるまで、大学生活で経験したあらゆることが、結びついていると思っています。

 

6・先生やキャンパスライフで思い出に残っていることは。

   規模の小さい大学というのも起因しているとは思いますが、学生と教職員との間に大きな壁が存在していないため、実に和気藹々とキャンパスライフを送れました。
   また、先生方に気軽に声がかけられるのもよかったと思います。どうしようもない質問や疑問を投げかけても、理解できるまで付き合ってくださったことを鮮明に覚えています。

 

7・学生時代に抱いた夢や希望は、現在、叶えられていますか。

   う〜ん、どうでしょうか?「夢は理想に、希望は現実に」をモットーに鋭意努力中です。

 

8・4年間で人間として、成長したところ

  考えたこともないですし、これからも考えないと思います。ただ、敢えて言うならば、常に何かしら成長しているということだけです。

 

9・新入学生へアドバイス

  大学時代の仲間、師、努力は一生の宝です。まずは自分自身とよく向き合い、自分を見出してください。そうすれば、おのずと道が開けると思います。
   物事には必ず最初の一歩があります。それを継続していくことで、人生という名の大きなパズルが完成するはずです。このピースとして、「仲間、師、努力」は重要な要素です。
   それでは、素敵な未来を築いていけることを願っています。