読書雑感

このコラムは、企業経営者、団体のリーダーなどの方々にご登場をいただき、読書を基本軸に仕事や生活、文化、芸術、経済、哲学、を語って頂くコラムです。
池上学院学院長・池上公介さんに続く、第10回目の今回は、現在、成年後見法の周知と啓蒙に力を尽くされている生活設計アドバイザー小沼肇子さんの胸のすくような積極的な生き方をお届け致します。
50才を目前に再度大学の門をたたき、悪戦苦闘をしながらも前向きな考え方と積極的な行動力で、見事なまでの生き方を続けて来られております。
どこにそのようなエネルギーが隠れているのか、失敗を考えない明るい姿勢は実に魅力的な姿として感じて頂けることでしょう。今回は、3回連続シリーズの1回目です。どうぞお楽しみください。

■第10回 「人生を読む!?」
読めないから面白いのが人生
そして、「読めば」人生が面白くなる!? 筆者:小沼 肇子さん

生活設計アドバイザー  小沼肇子さん1. あこがれ

 その昔、受験勉強のさなか、机の前に座ると、なぜか、どうしても読みたい本が気になり、「読む」誘惑に負けて、肝心のテキストを開くことなく空が白みはじめ・・・という経験をしたことを思い出す。あなたはそんな経験、ありませんか?
 やがて、大学に入学し、本を読むのが本分のはずなのに、その時にはまた、どうしても「今やりたいこと」が次々に現れて、図書館なんかにこもっている場合じゃない!とばかり、青春はとにかく忙しい。気づいてみると、今や青春は遠く、仕事におわれる毎日で、ゆっくりと本を読める生活がくる日を夢見ている。仕事を離れ老境に至り、「晴耕雨読」。ゆっくりと過ぎゆく時間のなかで、好きな平安文学をひもとくのだ。傍らには愛猫のみ。たまさか木々を揺らす風の音・・・。かそけきペ-ジをめくる気配のなかで至福の時は流れる。 ああ、夢だ!

2. 読んだ!

 そんな私が、60年に垂んとする人生の中で、最も濃密に「本を読んだ」体験をお話しよう。
 今から7年前、私は中央大学法学部を通信教育で卒業した。卒業証書には、「通信教育」の文字は一切無く、法学部卒業の法学士であることのみが記されている。それは、大学として、卒業者への、最大の敬意とねぎらいの姿勢を表したものである。
 しかし、私はむしろ通信教育で、52歳にしてやりとげたことの価値を、誇りをもって、方々で話し続けている。なぜなら、それは、座して講義を受けて成した卒業ではないからだ。誰も教えてくれない。ひたすら自分で本を探し、読み、レポ-トを書き、試験を受け続けた。(もちろん、スク-リングは義務として用意されてはいる。)「通信教育」というものを体験しなかったら、真剣に「読む」ことのみでハ-ドルをクリアする喜びも苦しみも、味会うことは無かったろう。読むことが、講議であった。
 若い時代に受けたのは教育であり、ここではまさしく自らがなす勉強であった。
 法学部卒業のために、ひたすら読みに読んだ!
 この時の体験を私は、講演「再学問のススメ」や、「小沼肇子の再出発講座」の中で、何度も語らせて頂いている。

3. 動機

 まず、動機はこうだ。
 私の娘が東京の大学に進学したとき、私は深い虚脱感に襲われた。長い子育てが終わった安堵感とともにそれはやって来た。小さかった娘との思い出のシ-ンが走馬灯のように頭をよぎり・・・。と、淋しさに涙する間もなく、最初の夏休みになり、娘は少し大人になって帰ってきた。えっ、これって早くない?!ン十万の大金をはたいて借りてやったマンションは今、カラ?それでも当然のことながら、家賃は自動引き落としで取られるわけだ。
 母さんは考えた。この先4年間、春・夏・冬と、日本の大学は長い休みの間に授業があるようなものだ。空き家に家賃を払い続けるほど金持ちじゃない!
 その時私は札幌家庭裁判所の家事調停委員をつとめており、法律の勉強に興味を持っていたが、その他の仕事も多々あり、思いはあれど、手段を思いつかず、決心もつかないまま、「勉強したい!」という気持ちだけをくすぶらせていた。
 そんなとき新聞に札幌で開かれる、中央大学の通信教育説明会の広告を目にした。「そうだ、夏休みの校舎をつかってスク-リングの行われる、通信教育なら、娘と入れ違いに利用すれば、東京での長期滞在費がかからない!」
 そう短絡した私は、翌年の7月、40度もあろうかという、炎熱の八王子で、大学行きのバス停に立っていた。そして、すぐ倒れた!!
 こうして、娘の家賃がもったいないという、不純な動機で始まった50歳間近の学生生活は思いもよらない人生の展開をみせることとなる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ どうなるの?次回につづく。
2005年6月11日脱稿

<成年後見法を考える>
生活設計アドバイザ-小沼肇子事務所のホ-ムペ-ジをご覧下さい。
アドレスは http://www.rak3.jp/home/user/0316/


■筆者プロフィール
小沼 肇子( こぬま けいこ )さん [ 生活設計アドバイザ- ]
昭和21年生まれ。 札幌市立旭ケ丘高校卒業。 藤女子短期大学 国文科卒業
中央大学 法学部卒業。 北海道銀行、北海道ロ-ン保証(株)勤務。
北海道新聞「朝の食卓」執筆。 ラジオ・テレビのコメンテ-タ-など。
前北海道文化放送番組審議委員長。

■現在
生活設計アドバイザ-小沼肇子事務所 主宰
生活相談を受付けるかたわら、講演を中心に活動
講演
「小沼肇子の再出発講座」「再学問ノススメ」「成年後見法」
「北海道の 女性たち」「メデイア・リテラシ-」「中高年の生き方」
「あなたも講師になれる」」「家庭生活の知恵」「北海道農業者の魅力」
他多数

■公職
・札幌家庭裁判所家事調停委員 
・人権擁護委員

■現在の関心事
「札幌後見支援の会」理事として、成年後見法の研究と実践に、力を注ぐ。「日本成年後見法学会」所属
健康・生きがいづくりアドバイザ-(厚生労働省外郭団体認定資格)として、中高年の生き方をサポ-ト FM放送でも活動

■趣味
・水彩画。「新道展」10年連続出品
・海外旅行。画材を求めて世界20数カ国を旅行
・写真。二人の孫を写すのが何よりの楽しみ。

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