読書雑感

このコラムは、企業経営者、団体のリーダーなどの方々にご登場をいただき、読書を基本軸に仕事や生活、文化、芸術、経済、哲学、を語って頂くコラム、エッセイです。
第23回の今回は、苫小牧市副市長の中野裕隆さんのエッセイ最終回“大学で学ぶこと”。筆者は、多忙な苫小牧市副市長の要職にありながらも何とか工夫をして「読書を楽しむ」時間をつくっています。それは、人が暮らしていく上で欠かすことの出来ない、欠かしてはいけない栄養素と信じているからです。毎日食事をするのと同じで、心と人間としての成長には「読書」という毎日の食事がとても大切なのです。さて、最終回の今回は1000字程の短い文章ではありますが、筆者の中野さんが若い皆さんに対して本当に伝えたかった大切なメッセージが綴られています。どうか繰り返して読んでいただき、筆者からのメッセージをしっかり受け取っていただきたいと思います。どうぞお楽しみに。

■第23回 読書の楽しみ(4)

苫小牧市副市長 中野 裕隆

5 大学で学ぶこと

大学でなにを学ぶべきか。

私は勉強の仕方を覚えるところだと思う。

大学時代はわずかに4年、職場にいる時間は40年に及ぶ。大学時代に得た知識などは数年で消えてしまう。体力も30歳を過ぎると体がふくらみ、走っては小学生にもかなわなくなる。

いい例が英語である。中学校、高校、大学と10年間習ったが全く身についてない。私自身、今では英文を読むことができない。go、went、goneと動詞が変化することすら忘れていた。英語の必要があれば、その時々に勉強すればいい。要は勉強の仕方さえおぼえていれば、いつでも英語は読めるということだ。

勉強の基本は読書である。

本を読むことから勉強は始まる。仕事を覚えるときにも、言葉で教えてくれることは大事なことだが表面的でしかない。深く広く知るためには専門書を読まなければならない。すべての基本は読書にある。

本を読むことは癖だ、若いうちに癖をつけることだ。

もうひとつ大切なことは、文章を書けるようになることである。

ネット上のブログや掲示板の書き込みを見ると、タレントをはじめとする大人がこどもの言葉しか使えないことに驚く。

大切なことは正確な文章を書くことである。レポートは現状、課題、解決策の順に書き、必要があれば、はじめにと、おわりにをつける。5W1Hを忘れずに簡潔な短文でつないでいく。詳しいことは、木下是雄の「理科系の作文技術」にゆずる。

高卒で働いている若者がいることを考えれば、大学生は立派な大人だ。

20歳を超えた大学生が高校生のようにふるまったり、幼い服装をしているのを見ると、びっくりする。本当は大人なのに、子供のままでいたい、大人になりたくないと言っているかのようだ。しかし、社会は20歳を過ぎれば大人として扱う、罪を犯せば罰則があるし、失敗すれば責任を問う。

大人の社会では大人になりきれない若者は評価の対象にはならない。

大学生の皆さんはまだ蛹の時代なのかもしれない。大きく育つのも小さくなるのも大学での勉強しだいだ。早く殻を破って大きな蝶になって社会に飛び出して来て欲しい。

私たちは皆さんを歓迎する。(完)

2008年4月4日 脱稿

■苫小牧市役所URL http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/

■筆者プロフィール
中野 裕隆 [苫小牧市副市長]
氏  名 中野 裕隆(なかの ひろたか)
生年月日 昭和24年10月13日
■経歴    
昭和43年3月 北海道立苫小牧東高等学校卒業
昭和47年3月 北海道大学工学部衛生工学科卒業
昭和47年4月 京都市下水道局勤務
昭和50年4月 苫小牧市勤務
平成 3年5月 同市 土木部都市計画課長
平成11年5月 同市 企画調整部都市開発室長
平成13年4月 同市 企画調整部長
平成16年4月 苫小牧港管理組合総務部長
平成19年4月 苫小牧市副市長

技術士(建設、上下水道、衛生工学、環境、総合技術監理)

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