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「五匹の猿を退治しろ!」に続き、この新シリーズは月1回でスタート致します。
軽妙洒脱な文体は、更に「うずまさ一刀流?」の鋭さを増し、すっと軽く読めるがズシリと心に響く。日々の暮らしに目を向け考え悩み前進する高校生、大学生、社会人のみなさんを暖かいまなざしで叱咤激励するシリーズです。ここには社会生活をする上でのさまざまな知恵がギッシリと埋まっています。お楽しみに。

犬の遠吠えねずみ鳴き

■巻の1「 第一歩 」  うずまさ やすのり

太秦 康紀 パソコンに向かい、「いぬのとおぼえねずみなき」と打ち込む。タブキーを押すとワードの画面に「犬の遠吠えねずみ鳴き」の文字が打ち出される。今まさに、ボクはこの新シリーズ「犬の遠吠えねずみ鳴き」の第一歩を踏み出したのだ。
 「五匹の猿を退治しろ」のシリーズが6回の連載を終えて、何となくほっと一息ついているとき、このHPの編集者というか管理人の馬場さんから、次のシリーズを頼むと言われた。今度は毎月1回の連載で、12回のシリーズを予定しているということだ。ボクは基本的に何か依頼があると「ノー」とは言わない。時には軽はずみだったかと後で後悔するほどあっさり引き受けてしまう。見かけよりは、ずっと前向きに出来ているのだ。そして前向きに行動して、まず失敗したと思うことはない。前向きに行動して、仮に失敗したとしても、何もしないで「やればよかった」と後悔のほぞを噛むより、よっぽどマシだと思っている。

 もう一つのエッセイを担当している「さかざきくん」から、「FM放送のディスクジョッキーを一緒にやってみませんか」という電話が来た時もそうだった。「関心ありますか」と聞かれて、ボクはほとんど間をおかずに「あります」と返事をした。それは、まったく突然の話で、それ以前にそういう話は全然なかったのだが、ボクは以前から聞いていたみたいに、即答でOKの返事をしたのだった。これが若い者ならいざ知らず、「さかざきくん」もボクも、年齢から言えば70のじいさんである。普通なら「ちょっと検討させてください」とか言うのが常識かもしれない。しかし、向こう見ずなじいさん二人は、「ドラマシティ・FM・新札幌」で、隔週火曜日、午後8時から1時間、ディスクジョッキーをやることになったのである。番組のタイトルは「とりあえずビール」という。街角のふとしたスナックで、中年の紳士が二人、ビールを傾けながら四方山話をしつつ、音楽を聴くという設定。ラジオだから姿は見えない。じいさんでも、ボロを着てても、中年の紳士なのだ。

 ボクは昔アナウンサーになろうかと思った時期があった。丁度就職の頃で、STVラジオが間もなくスタートする時期だった。子供の頃から朗読が得意で、小学生時代2回NHKに出演したことがある。先生から「うずまさはアナウンサーになったらいい」と言われ、本人も多少その気になっていたのだ。そんなわけで、就職の際STVに願書を出した。しかし先に受けた道銀の試験に受かってしまった。かくて名アナウンサーは誕生せず、平凡な銀行員が誕生したのだった。当時は就職難で、大学当局から「とにかく入れたところに入れ」という指導を受けていたのである。アナウンサーにはなれなかったボクは、たまに高橋圭三(NHKの名アナウンサー)の真似なんかをして、秘かに声を鍛えていたのだ。だからディスクジョッキーも、ちょっとばかり自信があったのである。

 話がどんどん逸れて行った。ボクの文章は大体こんなもので、一歩踏み出したら最後、勝手に走り出してしまうのだ。
 さてエッセイに戻ろう。12回のエッセイのタイトルをどうしようかということになった。12回・・・、12ヶ月・・・、十二支そんな言葉が頭に浮かんできた。「そうだ、猿の次は十二支をテーマに書いて行こうか」。そして浮かんだのが「犬の遠吠えねずみ鳴き」、それに「猪突猛進うさぎ跳び」の二つ。結局最初の方に決まった。来年は戌年である。今回はタイトルにちなんで「犬」にまつわることを書こうと思っていたら、全然違う話になってしまった。でも、とに角第一歩を踏み出すことが出来た。何事も第一歩がなければ、物事は進まない。二歩目から進むというわけには行かないのだ。どんなにいやなことでも、目をつむって「えいっ」と第一歩を踏み出してみる。そうすれば、自然に二歩、三歩と進んで行くものだ。ディスクジョッキーも向こう見ずに第一歩を踏み出した。そうしたら今は7回目を迎えようとしている。このエッセイも「えいやっ」と第一歩を踏み出した。そうしたら、ちゃんと一つのエッセイが出来上がった。

 さて、二歩目に行こうか。サブタイトル、「眠ってはいられない、さあ目覚めよう」と打ち込む。はい、変換。


▼ お知らせ ▼

筆者:太秦康紀さんは、昨年11月に3冊目となる本を出版しました。新風舎文庫「さらりー漫歩」。全国の書店で発売中です。
サラリーマンの喜び悩み、そして生きてゆく知恵と勇気、行動をユーモラスに鋭く描いております。ご自身の体験が底流に流れていますので、一種のドキュメンタリー作品としての側面も持っています。
札幌紀伊国屋書店の「話題の本」「新刊本」のコーナーに置かれています。またHBCラジオや読売新聞などですでに紹介されておりますので、一度手にとってご覧下さい。

「さらりー漫歩」著者::太秦康紀さん
「さらりー漫歩」
定価700円
(新風舎文庫)


太秦康紀HP http://www.rak3.jp/home/user/monkey69/


■筆者プロフィール
太秦 康紀 UZUMASA YASUNORI
1935年02月: サッポロで生まれる。
1958年03月: 北大法学部を卒業、4月に北海道銀行へ入行。
約28年間の銀行員生活を経て、1985年11月同行退職。
1985年11月: 医薬品問屋、(株)寿原薬粧の社長に就任。
1991年04月: 同業7社の合併によって誕生した(株)バレオの副社長に就任。
1996年06月: 同社常勤監査役に就任。
1999年04月: 再度の合併で社名は(株)ほくやくとなり、引き続き監査役。
2000年06月: (株)ほくやく監査役を退任。
2000年08月: 太秦事務所を設立、所長となる(経営コンサルタントを自称)

著作: ・しなやか散歩道(1995年2月 近代文芸社)
・しなやかれすとらん(2003年4月 北海道新聞社出版局)
・北海道新聞「朝の食卓」1998〜99年執筆
・さらりー漫歩(2005年11月 新風舎文庫)
その他: 家庭裁判所家事調停委員、(株)スハラ食品監査役
(株)芭里絵監査役などを勤めた。現在はTVコメンテーター、FMパーソナリティ、講演、文筆など気ままに活動中。
血液型 AB型、星座 うお座(たまにみずがめ座)、動物占いでは落ち着きのない猿。趣味は、映画鑑賞 格闘技鑑賞 ゴルフなど

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