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  平成30年度入学式 学長式辞
 
学長 田崎悦子
入学式会場
学長 田崎悦子
入学式会場

 新入生、編入生、そしてご家族の皆さま、ご入学、おめでとうございます。


 日本列島の桜の開花は、例年になく早いこの春、苫小牧にも、さくらの足音がだんだん近づいてきました。

 昨年より、大学の経営移管の手続きに伴い、皆様には、多くのご心配をおかけすることとなりました。学生の社会的自律につながる教育、地域・社会が求める大学について検討を重ねてまいりました。 地域のご支援が後押しとなり、学校法人京都育英館苫小牧駒澤大学に、希望あふれる新入生の皆さまを迎えられることは、教職員、在学生、卒業生、そして、苫小牧、胆振、日高の地域にとっても大きな慶びです。

 本日ここに、ご来賓の岩倉 博文 苫小牧市長をはじめ、関係各位のご臨席を賜り、平成30年度入学式ができますことに、大学を代表して、深く感謝申し上げます。「ありがとうございます。」

 平成30年4月に入学・編入学された皆さんは、9名。大きな大学の大人数の入学とは、だいぶ異なる環境ですが、新入生同士はもちろん、教員、職員、先輩にも、すぐに顔と名前を覚えてもらえることでしょう。

 そして、皆さんは、新しい苫小牧駒澤大学を、地域、教職員、先輩とともに一緒につくっていく大切な仲間です。 少人数だからこそできる「一人ひとり」の能力や個性を存分に発揮できること、のびやかに成長できること、そのための「機会と場や方法」について、教職員だけではなく、皆さんと考えていきたいと思っています。そして、実現させましょう。ぜひ、力を貸してください。

 

 さて、今年、北海道は、蝦夷地から北海道の名称に変わった「北海道 命名から150年」です。本日は、皆さんと、「北海道」の名づけ親、松浦武四郎の生き方を通して、“キャリア”について、一緒に考えていきたいと思います。最初に、キャリア創造学科の「キャリア」。「最近、よく聞くけれど、よくわからない、説明が難しい」言葉について考えて見ましょう。 1950年代、「人間の働く、という行動」を概念化し、測定しようとした研究がはじまり、その複雑な人間の職業行動を総合し、表現する概念として、「キャリア」という言葉が使われるようになりました。 ホノルルで生まれ、ポーランド、スイス、アメリカなど多文化・多言語の中で育ち、コロンビア大学で教鞭をとった組織心理学者のドナルド・スーパーは、これまで、職業を中心としたキャリア発達の考え方から、「ひとが、生涯の中で出会ういくつかの基本的な役割の連続を“キャリア”」と呼びました。 新入生の皆さんのこれまでの人生と大学生活でのキャリアをスーパーの「役割」としての考え方と照らし合わせてみると、「こども時代の親や周りの人々との関係、たとえば、親からみたらこども、きょうだいでは妹や兄、ともだちからみた友人、学校では、クラス委員や図書委員、部活動の副部長、文化祭の実行委員などの「役割」を担ってきました。これらの役割によって、様々な考え方や行動などの経験をしてきたことでしょう。また、周りや他者を観察し、他者との違いにより、自分がどのような人間かを理解することがあったでしょう。そして、自己イメージをつくり、現実的にそうなのかどうかをよく考え、自己概念がつくられていきます。 また、大学生から社会人・職業人になる時期には、役割による経験と学びから、これまで、何をしてきたのか。自分は何に価値をおいているのか。これから何をしたいのか。 自分の能力や個性、経験をどのように活かしたらよいのか。人としてどう生きるのか。 これらを考え、自己実現できる職業を探し、選び、決めていきます。これらの連続、積み重ねを「キャリア」と呼びます。

 さて、キャリアの説明が長くなりました。松浦武四郎に戻りましょう。 1818年、鎖国中の江戸時代です。現在の三重県松阪市に生まれた武四郎は、16歳で旅に出たのを皮切りに、17歳から全国をめぐる旅に出ます。旅の途中、大病を患い、中断時期もありましたが、ロシアの勢力拡大を知った武四郎は、日本の危機を感じ北方防備のために、蝦夷地の調査を決意します。やっと、蝦夷地探査が実現したのは、1845年、28歳のときでした。アイヌの人たちと寝食をともにして、1日に60キロを歩きながら記録をつけ、3回の探査を、「初航蝦夷日記・再航蝦夷日記・三航蝦夷日記」としてまとめ出版しました。 そして、41 歳までに合計6 回の蝦夷地探査を行っています。 明治に変わり、役人である箱館府判事、開拓使判官に就任しますが、武四郎はすぐに辞めています。 そして、71 歳で亡くなりますが、亡くなる寸前まで、関西、九州、四国、富士山にまで、旅や探査を続けています。

武四郎の役割とは? どのような「能力、個性」を活かしたのか? 何に価値をおき、どう自己実現をし、それは、どのように人々や社会に貢献したのでしょう。

 

 松浦武四郎記念館では、武四郎を「旅行家、作家、出版者、学者」の4つの顔を持つ多彩な人物として紹介しています。これらの4つの顔は、まさに、生涯の“役割”であり、職業・人生のキャリアを雄弁に語っています。能力・個性の観点で、武四郎は、「見たがり、知りたがり」、「体力抜群の行動派」、 「記録魔で、伝えたがりの学究肌」、「人の力を借りながら、自分の能力を最大限発揮する能力の持ち主」、わたくしには、このように映ります。みなさんは、どのように思いますか?また、役人をすぐに辞めていることから、「自由人。自律・独立志向が強く、組織という枠の中では、力を発揮できないタイプ」であることがわかります。 言い方をかえれば、「縛られない自由な発想のなかで、無限の力を発揮する人」、まさに、変化の時代に、最も求められる人材であることがわかります。皆さんには、今、どんな「役割」がありますか。自分を知り、社会を知り、自分自身の能力・個性の活かし方を考え、どのような役割で社会に貢献できるのかを考えはじめ、アルバイトやインターンシップなどの試行的な(おためしの)仕事を通して、仕事・職業の方向性を探索するのは、キャリア発達からみると、16歳ころにはじまり、25歳ごろまでと言われています。皆さんは、今まさに、この時期にいますね。方向性を定め、努力を続けている中でも、思うようにならないときは数々あります。 しかし、思ってもいないことに出会うこともあり、そのなかで、自分の可能性を広げ、自分らしいキャリア(進路・人生)をデザイン(計画・設計)していくことこそが、「キャリアデザイン」です。そして、デザインしたキャリアの実現に向け、努力を積み重ね、修正をはかりながら歩んでいくことこそ人生です。


 「未来の自分」を創るのは主役である皆さん自身です。そして、私たち教職員は、皆さんの「未来の自分」づくりのお手伝いをすることが仕事です。 「未来の自分」づくりのために、教職員は、より一層の努力をすることをお約束し、お祝いの言葉といたします。

 

平成30年4月8日

苫小牧駒澤大学学長 田崎 悦子

苫小牧駒澤大学 国際文化学部

フリーダイヤル 0120-57-1504

TEL: 0144-61-3111(代表)
FAX: 0144-61-3333

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